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2022-12-05
仕事に役立つ心理学

歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」~グッドデザイン賞2022

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2022年度のグッドデザイン賞が発表され、10/7(金)~11/6(日)に、東京ミッドタウン・デザインハブにて、グッドデザイン賞受賞展が開催されました。
その中から、個人的に素敵だなと思ったものを、いくつかご紹介していきます。

一つ目は、歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」です。
https://www.g-mark.org/award/describe/53150

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」

「あしらせ」は、視覚障害者向けの歩行ナビゲーションシステムです。
差し込み型の振動インターフェスを靴に装着することで、足への振動により向かう方向を直感的に示してくれるそうです。
使用者は手に何か持つ必要はなく、視覚障害者用の白杖を操作する邪魔にもなりません。

一般的なナビゲーションアプリは晴眼者を前提としており、画面など目で見ていないと仕様が難しい点が多々存在します。
音声でナビゲーションを行うアプリも存在しますが、音声だけでは理解しにくいなど、なかなか実用的ではなかったそうです。
また、視覚障害者は歩行中、安全確認に非常に多くの注意を払う必要があります。
音声ナビゲーションを使用すると、音声に注意を向けなくてはならないため、とても安全が確保できないという問題もあったそうです。

このような状況を解決するために、「あしらせ」は、ルート情報を無意識的に伝えることで注意力に余裕を生み、安全に集中できる状態を間接的に作り出すアプローチから、「直感的」というキーワードを念頭にデザインされたそうです。
「あしらせ」は、デバイス内部に持つ複数のセンサと独自のアルゴリズムを使い、例えば、方角ではなく、自分の向いている方向に対してどの角度へ進めばいいかの案内や、GPS誤差による不必要なリルートの抑制を行うそうです。

「あしらせ」のココが特にすごい!

私がこの「あしらせ」について特にすごいと思ったのは、以下の二点です。

一点目は、ナビゲーションを行う振動インターフェスをセンサと一体化して足元に装着させるという発想です。
歩行を支援するシステムの開発において、足元にセンサをつけるというのは割と発想しやすいことだと思います。
しかし、多くの場合、振動インターフェスについては、手元など何となく操作しやすいイメージの場所につけるという発想に囚われてしまうのではないでしょうか。
そうすると、まず、センサから振動デバイスへの通信の問題が生じます。
何より、「自分の向いている方向に対してどの角度へ進めばいいか」というようなナビゲーションを行うことができるのは、センサと振動デバイスが一体化しているからです。

二点目は、足元に装着するために、靴型ではなく、足と靴という限られた空間を利用してそこに差し込むデバイスというスタイルにしたことです。
靴型にすると、生産工程で複雑な作業が必要です。
また、サイズごとの展開が必要で、大量生産ラインに乗せることができず、おそらくオーダーメイドとなり、生産にも購入にも高いコストが必要です。
しかし、差し込みデバイスならば、これらの問題を解決できます。

足元をナビゲートするために足元に差し込み型の振動デバイスをという、できあがってみれば当然のようだけれど、なかなか思いつかない、そういうった発想に出会うと、とてもワクワクした気持ちになります。

障害者向けに限定しな開発を期待

実は、私は大変な方向音痴です。
この製品を最初に見た時、視覚障害者向けだという説明を読んでいなかったため、これ便利!使ってみたい!と思いました。
スマホで手を塞ぐことなく「自分の向いている方向に対してどの角度へ進めばいいか」というナビゲーションを行ってくれるシステムは、視覚障害者に限定せず、地図を読むのが苦手、初めての場所に多く行く仕事をしているなど、ありがたいと感じることの多いシステムなのではないかと思います。
そういった方向でも開発が進むことを期待しています。
(ライター K.M)

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